幸せの欠片 *超* 番外編
第2章 真夜中の訪問者
その潤んだ瞳は、俺の知ってるかずそのもので
悲しそうな表情も同じ
だけどこんな非科学的な事を誰が “はいそうですか“ なんて受け入れられる?
とは言うものの
心の何処かでは、やっぱりかずを求めてて
目の前の彼が、本当にかずなら良いのにと思っていて
「…初めて会ったのは?」
「言ったら信じる?」
かずと同じ顔でのその上目遣い、反則だと思う
「他にもいっぱい聞くつもりだけど」
「全部答えればいい?」
首を傾げてじっと俺を見つめる彼の瞳が真剣さを帯びた
「ごめんね」
「あはは、謝んないでよ。それで信じてくれるなら大した事じゃないし。それに……」
「それに?」
聞き返した俺に、ハッとしたように彼が首を振った
「ううん、何でもない!さ、聞いて?」
慌てた彼を不思議に思いつつ、俺は “かず“ しか知らない質問を幾つか頭に用意した
かずなら……
本当にかずなら、答えなんか簡単な質問ばかり
だけど俺にとっては大切な思い出でもある
かずの答えを殆ど祈るように聞いてるのは、無意識なんかじゃなかった