幸せの欠片 *超* 番外編
第3章 お墓参り
とは言え、かずを見ていたら眠る前の事も段々と思い出してきて
やっぱりかずが俺の前にいる現実に、胸が熱くなる
「かず…?」
「ん?」
「今は、かずには触れない?」
俺の言葉にかずが苦笑を浮かべた
「覚えてる?俺が言った事」
…かずが言った事
力を使えば実体になるとか…あ、あとは
「俺の生気を分ければいいんだよね?」
それなら分けるよ、かずに触れられるなら幾らでも
さあ来い、と両手を広げた俺に、かずの苦笑が深くなった
「今貰うと相葉さんが倒れるから無理だよ」
「え?」
「だからさ、名前の通り生きるのに必要な “気“ を分けて貰うからさ、その分相葉さんのエネルギーが減っちゃうの。
…そうだなぁ、10キロを全速力で走るとか?良く分かんないけど」
…10キロを全速力って想像付かないけど
まあでも、何となくニュアンスは伝わった
全速力でそんなもん走れる訳ないし
それだけ相当な負担が掛かると言う事なのだろう
さすがにそれは朝からはキツイと思って、伸ばした手を引っ込めた