幸せの欠片 *超* 番外編
第3章 お墓参り
「俺、母さんって凄く可愛らしいイメージがあったんだよね。けど実際会ってみたらさ」
「かず…」
「思ったより普通だった。ま、俺の親だからそうなんだけど」
俺に抱き着いたまま話す内容ではない気がする
せっかく “実体“ があるのだから、もっと有意義にしたいのだけど
かずの背中に手を回し、更に自分の方に引き寄せる
それに気付いたかずが顔を上げて、俺の目を捉えた
見詰め合えば自然とお互いの顔が近付くと、かずが微笑みながら瞳を閉じた
ゆっくりと距離が縮まる
形の良い唇が自分のそれと重な……
「ありゃ、タイムリミット」
かずの苦笑で、それが叶わなかった事を悟った
間近にかずの顔はあるけれど、もう触れられない
「続きは夜ね」
にこっと首を傾げるかずに、俺も笑うしかなくて
「相葉さん」
「ん?」
実際には繋げないけれど、手を合わせて何となく繋いだ気分の手を見ながらかずが俺を呼んだ
「しばらく、相葉さんの傍にいるからよろしく!」
……それはかずからの同居?宣言だった