幸せの欠片 *超* 番外編
第4章 奇妙な同居生活
「じゃあ、行ってきます」
「はーい、行ってらー」
新婚生活よろしく、かずが玄関で俺を見送ってくれる
だけどそのままおとなしく夜まで待ってる訳がなかった
…だってかずは暇なのだ
仕事がある訳でもなく、何かすべき事も特にない
そして今、かずは超自由人だ
そうなれば、自由自在に動けるかずが家で待っているとは考えられないだろう
……それに気付いたのは同居して3日目の事
最初の2日間は何事もなく、通常通りに仕事をこなし
帰宅すれば “おかえり“ と迎えてくれていた
だから俺も、油断していたし
まさかそんな事はしないだろうと高を括っていたのもある
そして3日目
昼飯を、同僚と社食で食べていた時だ
いきなりその同僚の隣でにこやかに手を振るかずを見つけ、俺は口に入れてた蕎麦を盛大に吹き出してしまった
「かず?!」
思わず叫んだ後、驚いて涙目になって噎せ込む俺を同僚は心配し、
かずはそれを見て同じく涙目で、指を指して爆笑していた