幸せの欠片 *超* 番外編
第6章 奇跡って信じる?
まあ、どんなかずでも
俺が好きなのには変わりないけれど
かずが、俺と付き合った事で良い方に転がった事もあったね
長い間、確執があったお父さんやお兄さんとわだかまりが解けた事
あれはね、自分の事のように嬉しかった
病気の事を聞いた時は驚いたし、生きる事を諦めてたかずを責めた事もあったけれど
“俺と“ 生きる為に手術を決めたって分かった時は
その責任の重さがむしろ心地良かったな
だって俺には、とっくにかずの全てを受け止める準備をしていたから
俺からじゃなくて
自分からその道を選択してくれた事
…今、思い出しても泣けるくらい嬉しかった
そして
ああ、これだけはほんの少し思い出すだけで叫びたくなるけれど
……腕の中で、大事な人の命が失われる気持ち
あの言い様のない恐怖、悲しみ、絶望
これだけは、俺はかずを恨むよ
仕方ないとか、運命だとか、そんなのは知らないからな