テキストサイズ

溺れてみたい

第1章 一


「はい……」


どうせ買われた命。

抗っても仕方ない。

この人の言うとおり、私はもうこの人のモノ。

私にそれ以上の価値も自由も無いんだ……。


差し出された手を握ると、素直に頷く。

やはり冷たい手には、私よりもシワが多くあり椎名との年の差を感じる。


「抵抗しないんだね……由来ちゃん、俺は君の事を大切にするよ」



そう言ってベッドへと歩き出す椎名についていき、私はベッドの上で椎名から抱き締められた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ