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溺れてみたい

第1章 一


「もしや、男が苦手かい?」


椎名の前で座り抱き締められたまま、耳元で話されるとピクッとする。


「……何で分かったの?」

「廊下で最初に手を握った時、由来ちゃんが震えてたから」


……この人、勘が良いんだろうか。

ナヨっとしている様に見えて、そういうことは分かるんだ。

感心していたものの、


「よいしょっ」


突然押し倒され、体に覆い被さられると、私は固まった。



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