
溺れてみたい
第2章 ニ
「こんな可愛い子がウチへ来てくれるなんてね。味見だけじゃ済みそうにないから、早速食べちゃうけど許してね?」
「やぁ……ん……」
また頬へ押し付けられる唇。
熱く柔らかいそれが頬から離れると、荒い吐息が耳に掛かり、すぐ耳孔へ舌が差し込まれる。
はぁっ、はぁっと息を掛けられながら、ねっとりした舌先で耳孔を舐められるとゾクゾクと鳥肌が立つ。
「んっ……やめて……」
「由来ちゃんを他の兄弟に見せたくないなぁ。一人占めしたいよ」
「ああっ……」
耳から顔を離し今度は首筋へ唇を押し当て、椎名は私の体を強く抱き締めた。
