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溺れてみたい

第4章 四


そんな藤夜の事が、最近私は気になる――

恋じゃなく、『男』として。

何故藤夜は私に興味を持たないのか。

椎名達と一緒に私を買ったのに。

……気付くと、私は藤夜に尋ねていた。


「ねぇ藤夜は私としないの?」


雨上がりの真昼。

屋敷の庭で池の鯉を眺めていた藤夜は、私から質問された途端に顔を歪める。


「……は?お前何言ってんの?」


藤夜だけに、私は『様』をつけて呼ばない。

同い年だし、『主人』という感じがしなくて、藤夜とだけは気楽に話せた。



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