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こころを開けばみえてくる

第1章 出会い

はい。

24歳独身、羽咲結衣。

今日も元気に頑張ります。

ぱっぱと身支度を済ませて外へ出ると、日の光がきらきらと輝いていて、とても清々しかった。

玄関の鍵をかけたことを頭で確認しながら、お店への道を進む。

よく考えてみれば、そのお店の方面へ行ったことない。

方向音痴なりに、手元の地図を懸命に見ながらやっとの思いで店にたどり着いた。

「ん?『〜cherryのメイド喫茶〜』って名前?cherry…か。」

名探偵結衣。

自分はこう推測します。

きっと、あの「お友達」ことオーナーの名前に「桃」が入っているんでしょう!

ね、桃っぽいし。

迷探偵の妄想をかき消して、とりあえずドアを押して、お店へ入った。

「おおー!よく来たね〜!」

入るなり、よしよしと頭をなでられ拍子抜けした。

「あ、自己紹介しとこうか!えー、オーナーをやってます、一応27歳!桃乃果歩よ。よろしく!」

「えーっと…24歳の羽咲結衣です!お友達…でしたよね?よろしくお願いします!」

「お友達」と言った瞬間に果歩さんが嬉しそうな顔をした。

っぽいの桃は正解だったのか…

「私はね…うーん分かるかな…こうあまり親しくないところからスタートさせたいの。このお店は前からあるけど、副オーナーはいなかったから。道でお話して是非と思ったの!あなたと…いや、結衣と仲良くなりたいってね」

自分は果歩さんに微笑み返し、深々とお辞儀をした。

きっちりしていなさそうで、きっちりしている。

それが第一印象。

案外、色々な事を頭の中で考えているのかな、とか思ったりする。

「あ、そうそう!もう一つお願いしたいことがあって…」

果歩さんはお店の奥においで、と合図をした。

その合図とともに出てきたのは、従業員と思わしきメイドだった。

「この子、家で預かってほしいの!お願いできる?」

えええええと叫ぶのをなんとか押さえ込み声を絞り出す。

「な、な…ぜ?」

「ああ、いい家がこの辺にない、とかいう変な理由らしい…んだけど…」

ぺろっと舌を出して可愛くリアクションしてるけど、果歩さん。

そんな理由じゃさすがに…

「もちろん生活費は払うって。どうかしら?ていうか、私のとこに置いとくの、もうつかれたの♡」

だから、可愛く言われたって…

果歩さん、ずるいです。






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