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僕らの歪な経験値

第9章 続ける

和也 side







アホとはあれから1ヶ月、口をきかなかった。



俺様の体はというと、とりあえず1週間は使い物にならなかった。



アホに暴言を吐いた日(当然だが)



そのまま帰らされて、測ると熱があった。



それから3日ほど学校を休んだ。



登校しても体がだるくて体育は見学。



勉強にも身に入らなかった。



アホはというと…。



いつもと変わらない。



いつものように元気だし。



いつものようにスポーツ万能。



体育のバスケでシュート決めまくったりして。



みんなとハイタッチ。



大野さんと櫻井王子とも仲良くしてて。



俺にはそのどれもが尺に触った。



じじいがよく健康はありがたいって言うけど。 



体が言うことをきかない時に身に沁みた。



今までの、若い通常通りの体に戻りたくて仕方なかった。



その間にアホが健康的で元気にしてるのが気に食わなかった。



俺がしんどい時にアイツは普通にしてて。



俺の普通を返してくれ。



俺の日常を戻してくれ。



そんな願い届かないまま、俺は巨悪の根源を無視し続けた。



アイツはアイツで、最初こそ普通に声をかけてきたが、相手にしてなかったらだんだんと寄り付かなくなった。







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