眠れない夜を抱いて
第3章 友達じゃなくて
これは所謂 “一目惚れ“ って奴で
運命とか、そんな重いものじゃなくて
…普通に “好き“ になる感覚
まあ、所詮 “運命の番“ なんて都市伝説みたいなものだし信じてはいないけど
だけど、にののフェロモンに初めての感覚を覚えたのもまた嘘ではない
この先、にのと一緒にいる時間を増やしたら色々と見えてくるだろうか
だけど
“とりあえずはお友達から“
それを崩すのが今一番の目標
力関係とかじゃなくて
フェロモンで、とかじゃなくて
β同士のような普通の恋がしたい
…なんて
最初にそのフェロモンに惹かれたくせに何言ってんだろうな
まるで中学生みたいな思考に思わず苦笑いを浮かべた
“日曜日、映画でいい?“
約束を取り付けた次は、どう過ごすかの提案をメールする
“いいですよ“
時間を置かずに返って来た返事に思わず顔が弛んだ
今、場所は違っても同じ時間を共有している
…それだけでも嬉しいとか、バカみたいだけど
まるで中学生みたいな思考に、思わず苦笑いが出てしまった