眠れない夜を抱いて
第3章 友達じゃなくて
「…あんた、αだろ」
「そうですよ。大野さんも、ですよね」
α同士のマウンティングかと身構えたけど、どうやらそうではないらしい
だって大野さんから敵意は見られない
「ふふ、そう見える?」
「え?」
大野さんが、悪戯っぽく笑った
「ほら」
くるりと振り返り、指差した項にあったのは
「…噛み、跡…」
驚いた
確かに小柄ではあるけれど、圧倒的に秘めた強さが大野さんにはあったから
まさかΩだとは、思ってもみなかった
しかも既に番がいたとは
「俺はね、にのが大好きなんだよ」
大野さんがにこりと笑う
「だから、遊びで付き合うとか、無理矢理な番関係は許さない」
多分大野さんは気付いてる
俺がにのを “友達“ としてなんか見てない事を
「そんな事は…」
「うん、相葉くんなら大丈夫だと思ってるよ。なんかさ、そんな気はする。……ただ」
「属性、の事ですよね」
いくら抗っても、理性が壊される瞬間
……まだ、その経験はないけれど