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眠れない夜を抱いて

第3章 友達じゃなくて


“まあ、座りなよ“ と促されて席についた途端

「え?」

いきなりビールのジョッキが3つ、カウンターに置かれた

「これは俺から。お近づきの印って事で」

大野さんがにかっと笑う

さっきの鋭い視線は何だったのか、今の顔からは全く分からない

「やりぃ!ほら、相葉さん乾杯しよっ」

だけど、早く飲みたいとウズウズしてるにのに気がそがれ “ま、いっか“ とジョッキを手に持った


「んじゃ、乾杯」

大野さんの声に軽くジョッキを合わせ、琥珀色のそれを喉に流し込む

苦味が喉を刺激して、気持ちがいい



******

大野さん自慢の魚料理は確かにとても美味しかった

にのと仲良く喋りながらも、俺が取り残されないように絶妙に話に加えるとことかは、さすがこういう商売をしてるだけあって上手い

ほろ酔いのにのも、今日は良く喋る

今まで知らずにいたにのの小さな情報が入る度に、頭のメモが増えていくのが嬉しかった


「ちょっとトイレ」

にのが席を外した時

…予想通りと言うか、大野さんが俺の真正面に移動してきた

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