眠れない夜を抱いて
第5章 揺れる。
あまりの怠さと身体の辛さに、いつの間にか眠っていたらしい
目が覚めた時にはすっかり綺麗にされていて
身体に残る違和感は仕方ないにしても、不快感は何も残ってはいなかった
「目、覚めた?」
ゆっくりと上半身を起こすと同時に声を掛けられる
その近さから、彼がずっと傍にいたのだと分かった
「その手……」
相葉さんの右手には、痛々しい白い包帯が巻かれている
ぐちゃぐちゃなとこを見ると、恐らく自分でやったのだろう
「ああ、思い切り噛んだからさ」
相葉さんは “にのを噛まなくて良かった“ と苦笑しながら
「自分で噛んで、痛いってバカだよね」
ベッドの端に腰を掛けて、左手で俺の髪を撫でた
「ごめんね、にの」
「……」
「合意の上でにのと番になれるように頑張るわ、俺」
「え?」
「それならいいよね」
…なんだろう、この吹っ切れた感じ
そもそも今回のセックスは俺だって相葉さんを認めたのは事実だし、番を嫌がったのだって言ってしまえば俺の我が儘だ