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~羞恥学園~

第9章 笠原君



家に電話を掛けると最初にお母さんが電話に出た。



「あら、心結?寮生活には馴染めそう?」



お母さんの声にまた涙が溢れてくる。



「ふぇッ…お母さん…あのね」


「どうしたの?何か…あ」


「心結か?貸さなさい」



お母さんに話そうとするとお父さんに電話を代わられてしまった。
お父さんと言っても小さい頃にお母さんが再婚したので本当のお父さんではなくてすごく厳しくて小さい頃から苦手だった。


今回この学校に行く事になった時も卒業するまで絶対戻ってくるなと何日も怒鳴られた。
また怒られるかもしれないけどここでの生活に比べたら…


「お、お父さんっ…あのね……私…この学校で女子1人だから……その…先生とかクラスのみんなにひどい事されてて……ふぅッ…学校辞めたいの……」


「……何を言っているんだ!!!!」


物凄い勢いで怒鳴られて鼓膜が破れるかと思った。


「ほ、本当に…」


声が震える…


「女がお前一人だという事は最初から分かっていた事だろ!!!そこの寮が厳しい場所だというのは知っている!!お前が泣き言を言って戻って来ようとする事も予測していたぞ!!まさか一週間もしないうちにこんな電話をよこすなんて!!絶対帰ってくるんじゃない!!学校を辞めることも認めないからな!!卒業するまで金輪際電話はしてくるな!!!」


ブツッ…ツーッツーッ…



「お父さん!?」



急いで電話を掛け直すけど着信を拒否されてしまった。



嘘……

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