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イチャコラミックス

第2章 新しいカラダで(晴一×由芽)

エレベーターが開いた瞬間、私は息をのんだ。
「…懐かしいな」
隣に立つ晴一先生が呟いた。

私達がたどり着いたのは百年前のあの場所、
ハルシオの部屋だった。

魚が泳ぐ壁、白い石の床、
沢山の本、整頓された机、
そして私が本を読みながら眠ってしまった椅子、
朝目覚めた少し大きなベッド。

どれも記憶の中の、あの時のままだ。

「タイムスリップしたのかな」
「どうだろな」
「見て」

私はカーテンの開いた窓を指差した。

「外の景色も一緒だよ」

あの時と同じ、
窓の向こうには
満点の星空に丸い月が輝いている。

「…」

懐かしくて、ぼんやりそれを眺めていたら、
右手を柔らかく包まれた。

「あの時のことははっきり思い出せる」
「私も…
    っていうか寝ちゃってたんだけどね」

お仕事をしているハルシオの事を、
本を読みながら待っていたんだけど、
そのままつい眠ってしまったのだ。

気づいたら朝で、
私はハルシオのベッドを占領していた。
ハルシオは椅子で寝たらしい。

私達の、最初で最後の夜だった。

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