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イチャコラミックス

第3章 熱情に誓う

俺の彼女は宇宙一可愛いと思う。

そんな事を思いながら松井太郎は恋人の園田咲希を抱き締めた。

「園田さん、合格おめでとう。」
「ありがとうございます…。」

看護師を目指す咲希はこの春、地元を少し離れた短大に入学する。
今まで同じ学校で過ごし、毎日会えた二人にとって、それはちょっとした遠距離恋愛になる事を示していた。

「寂しい。」

松井はストレートに思った事を呟いた。
彼はめちゃくちゃ寂しかった。
やっと教員と生徒というしがらみから解放されて、思う存分お付き合いが出来るというのに…。

「私も…でも毎月帰ってきますし。」
「うん、ごめん。オトナゲなかった。頭ではわかってるんだけどね。君の事は心から応援してる。でも…。」

抱き締める腕に自然と力がこもる。

「まつい…さん、ちょっと苦し。」
「ごめん。」
「…いえ。あの、電話してもいいですか?」
「もちろん。俺もする。」
「はい。」

あぁ、愛しい。

「園田さん可愛いからさ、俺不安なんだよね。ぜったい他の男がほっとかない。」
「そんな事ないですよ。私には松井さんがいますし。」
「いや、分からないよ?世界は広いからね。俺以上にいい男なんて何万といる。」

松井は自信がなかった。
過去に一度、そういう場面があったからだ。
エレミムという、背は高いし顔もいい、どこかの王族のような男が咲希に惚れた事があり、一悶着あったのだ。
咲希は結局松井を選んだが、松井は今でもそれを引き摺っている。
咲希はあの時、本当はエレミムを選ぶべきだったと後悔しているのでは?という疑いではないが不安がいつまでも残っているのだ。
あの完璧な男よりも自分を選んでくれた事が、実はお情けだったのではないかと思う事もある。
みみっちい、みみっちぃぞ松井。

ところが咲希は、松井のそんなところも愛しいと思っている。
ガチで松井の事が好きなのだ。
ゆくゆくはこの男の嫁になる、そんな人生設計が既にこの娘の中にある。
そんな話、一度も松井にしたことないけれど。
だって重い女って思われたくないし。

「松井さんじゃなきゃいや。」
「園田さん…。」

咲希は背伸びをして、少し背の高い松井の唇に自分の唇を重ねた。
柔く暖かな唇を少し開き、舌先で歯列をなぞる。
松井は応えるように開くと、入ってきた舌を捕まえるように己の舌を絡ませた。









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