イチャコラミックス
第3章 熱情に誓う
はぁ…っ…ふぁぁ…。
粘膜が重なり離れる音と息遣いがいやらしく響く。
「いい…っ…ですか?」
言いながら咲希は松井の眼鏡を外す。
「何が?」
松井は意地悪にほほ笑み、咲希の細い手首を掴む。
「もっと…したいなって。暫く離れるから、その…分…んぅっ…。」
公にしたら大変な事になるが、松井と咲希はやるだけの事はやっている。
「手、重ねて」
松井の掌の鍵に、咲希は緊張しながらその美しい白い手を重ねた。
瞬間、世界がドロリと歪む。
歪んで黒い墨が上へ上へと滲んだように広がると、ゴシック調の背景が現れた。
そこはホテル黒桃館のロビー。
「いらっしゃい、たろちゃん、咲希ちゃん。」
妖艶なマダムがニコニコとカウンターの向こうで微笑んでいる。
「咲希ちゃん、卒業おめでとう!」
「あ、ありがとうございます。」
つい今しがたまでそういう気分になっていたため、羞恥がそのまま顔に出る。
「あらあら、お部屋で少し済ませてきたの?だめよ、ここに来るまで我慢してくれなきゃ。」
彼女はこのホテルの女主人、名を梅子という。
歳は六十手前であるが、大御所女優のような美しい貫禄があった。
ちなみにこのホテルは地界という、我々の暮らす人間界のちょっと裏の方に存在する場所にある。
地界には悪魔や、悪魔と人間のハーフが多く住んでおり、彼らは生きるためにヒトの精気を必要とする。
彼女は料金は割安である代わりに、性交時に発せられる精気を搾取し、それを売るという商売をしているのだ。
「相変わらず破格の料金設定ですよね。大丈夫なんですか?」
松井はまさか自分達の精気が搾取されているなんて知らないでいる。
帰る時になんかスッキリしたなぁ~と思う程度なのだ。精気と一緒にモヤモヤした負の感情も吸い取ってくれるから、沈みがちな現代人には打って付けの場所かもね。
みんなも是非、利用してね。
「うふふ、お客様が満足して帰ってくれればそれで十分なのよ。さ、行ってらっしゃい!楽しんでね。」
松井と咲希は梅子に一礼し、エレベーターに乗り込んだ。
二人が行った後、カウンター奥からニヤニヤと若い男が現れる。
彼は倉田次朗。二十歳くらいの見た目だが、梅子にとっては曽祖父にあたる。
彼もまた、とある事情で精気を必要とする身体だった。
粘膜が重なり離れる音と息遣いがいやらしく響く。
「いい…っ…ですか?」
言いながら咲希は松井の眼鏡を外す。
「何が?」
松井は意地悪にほほ笑み、咲希の細い手首を掴む。
「もっと…したいなって。暫く離れるから、その…分…んぅっ…。」
公にしたら大変な事になるが、松井と咲希はやるだけの事はやっている。
「手、重ねて」
松井の掌の鍵に、咲希は緊張しながらその美しい白い手を重ねた。
瞬間、世界がドロリと歪む。
歪んで黒い墨が上へ上へと滲んだように広がると、ゴシック調の背景が現れた。
そこはホテル黒桃館のロビー。
「いらっしゃい、たろちゃん、咲希ちゃん。」
妖艶なマダムがニコニコとカウンターの向こうで微笑んでいる。
「咲希ちゃん、卒業おめでとう!」
「あ、ありがとうございます。」
つい今しがたまでそういう気分になっていたため、羞恥がそのまま顔に出る。
「あらあら、お部屋で少し済ませてきたの?だめよ、ここに来るまで我慢してくれなきゃ。」
彼女はこのホテルの女主人、名を梅子という。
歳は六十手前であるが、大御所女優のような美しい貫禄があった。
ちなみにこのホテルは地界という、我々の暮らす人間界のちょっと裏の方に存在する場所にある。
地界には悪魔や、悪魔と人間のハーフが多く住んでおり、彼らは生きるためにヒトの精気を必要とする。
彼女は料金は割安である代わりに、性交時に発せられる精気を搾取し、それを売るという商売をしているのだ。
「相変わらず破格の料金設定ですよね。大丈夫なんですか?」
松井はまさか自分達の精気が搾取されているなんて知らないでいる。
帰る時になんかスッキリしたなぁ~と思う程度なのだ。精気と一緒にモヤモヤした負の感情も吸い取ってくれるから、沈みがちな現代人には打って付けの場所かもね。
みんなも是非、利用してね。
「うふふ、お客様が満足して帰ってくれればそれで十分なのよ。さ、行ってらっしゃい!楽しんでね。」
松井と咲希は梅子に一礼し、エレベーターに乗り込んだ。
二人が行った後、カウンター奥からニヤニヤと若い男が現れる。
彼は倉田次朗。二十歳くらいの見た目だが、梅子にとっては曽祖父にあたる。
彼もまた、とある事情で精気を必要とする身体だった。