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イチャコラミックス

第1章 あの時の二人(次朗×ミカ)

「コレだけで十分」

そう呟くと、
改めて優しく抱きしめてくれた。

本当に大丈夫なのかな?
記憶の操作は
凄く魔力を消耗するって
言ってたよ
遠慮してるのかな…

私なら本当に平気だよ。


「寛いで
 あの二人なら
 もう少し時間がかかると思うから」

「…うん」

次朗君は私から離れると
本棚の隣に飾られた
額縁の絵の前に立った。

それは
切子細工のワイングラスに、
液体が虹色に揺らめいている絵だった。
黒い背景に映えて、
綺麗だけどどこか怪しげだ。

次朗君はその絵の中に手を入れると
グラスを取り出して、

「実は梅子に分けて貰ってるんだ」

そう言って悪戯っぽく微笑んだ。

「分ける?」

「梅子のところで回収した精気を
 こうして必要な時に分けてもらってる

 …っはぁ
 今日はまぁまぁだな」

次朗君は一気に飲み干すと、
再びグラスを額縁の中に戻した。

「あまり酷く消耗しちゃった時は
 点滴で打って貰ってたんだけどね
 やっぱり君には全然敵わない」

 

次朗君はベッドに座り、
黙って立ったままの私に
手を差し伸べた。

私はためらうことなく
その手を取った。

引き寄せられ
再び抱きしめられる。

本当に…しないのかな…。

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