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COLOR’S~殺したのは私~

第23章 碧海VS一茶(AOMI SIDE)③

朱夏が私の部屋に現れたのが20時30分。

あの汗まみれの様子から察すると、走ってきただろうから逆算すると花火大会の会場を後にしたのは19時50分。

恐らく一茶もほぼ同時刻に琥珀の元へ向かっている。

配送業をしているだけに飲酒運転はしていないはずだし、そんな度胸もない。

琥珀が一人暮らしをしているのは平塚市。

厚木市から平塚市までの間は電車が通っていない。

129号線は花火大会の影響で渋滞している。

平塚市まで全力疾走か。

お疲れ様。

携帯電話が鳴り出した。

着信の相手は予想通り琥珀。

この着信は一茶が琥珀のアパートを出たことを物語っている。

時計の針は21時45分を指している。

花火大会は終了しているが129号線は上りも下りも渋滞真っ只中だろう。

急ぐ用事もこれといってない一茶はタクシーで厚木市まで帰ってくる。

一茶の頭の中はパニックを起こしているだろう。

せいぜいタクシーのエアコンでフル稼働させた少ない脳ミソを冷やしなさい。

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