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COLOR’S~殺したのは私~

第23章 碧海VS一茶(AOMI SIDE)③

「はい。こちらお悩み相談室でございます」

琥珀は悩み事や相談事でもない限り、私に電話を寄越したりしない。

だから琥珀から電話があった時は毎回こんな出方をする。

『碧海ぃ……』

出た出た。

いつもの猫なで声。

琥珀本人は意識していないからタチが悪い。

「どうしたの?」

わざとらしい。

琥珀の相談内容は知っている。

『……一茶にセフレが……って言われちゃって』
「なにそれ。よく分かんない」

分かる、分かる。

知っていますとも。

簡潔に説明したまえ。

まぁ……琥珀には無理か。

自分のことすら満足に主張出来ないんだから。

笑いと苛立ちを抑えつつ、親身になって聞いているふりをしながら琥珀の話に耳を傾ける。

相槌を打つことも忘れない。

三本目のタバコを吸い終えた頃に琥珀の回りくどく長い話がようやく終った。

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