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音を立て椅子から立ち上がる朱夏の訴えを、峰尾警部補は途中で遮った。

「殺してなんていません！私じゃありません！」
「あなたはそう言うけど現在も宮路雅俊と
関係が続いているのは事実でしょ？」
「それは……」

朱夏は宮路雅俊との不倫関係を数年に渡り続けていた。

以前転勤の理由となった前職場での向井博巳との不倫の秘密を握られているせいもあったが、それだけではない。

一茶だけに想いを寄せることに疲れてしまい、宮路雅俊という存在を糧に自分の心のバランスを保ち続けていた。

そしていつしかそこに愛情は無くても身体が宮路雅俊を求めるようになってしまった。