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COLOR’S~殺したのは私~

第44章 琥珀VS一茶(KOHAKU SIDE)⑦

「あら……えっと……朱夏ちゃん?碧海ちゃん?」
「琥珀ですよ。おばさん、お久し振りです」

仕事帰りに気紛れで実家に寄ると一茶の母親に遭遇した。

一茶の母親は私たち三姉妹の見分けがつかない。

一茶とは完全に途絶えてしまい諦め状態でいたが、それでもやはり忘れられずにいた。

「一茶は元気ですか?」

一茶のことを忘れた日など一日だって無い。

いつだって一茶を想っていた。

朱夏を陥れ、次は碧海をと思っていたが、もう何をやっても虚しく感じてしまいそうで思い止まっていた。

それに肝心な一茶が離れてしまったということになれば、私の企みは全て無駄に終わってしまう。

「一茶から何も聞いていないの?」

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