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COLOR’S~殺したのは私~

第70章 碧海VS一茶(AOMI SIDE)⑪

哲也は私が思っている以上に私を想っていてくれていた。

それなのに私ときたら……

「哲也……私ね……」

吐き出してしまいたい。

無様で醜い心を持った私を。

「俺の中では碧海が一番……それだけじゃダメか?」
「哲也……」

哲也の方に振り向いた瞬間、私は悟った。

哲也は……全てを知っている。

そんな表情をしていた。

「何も言うな。さて……風呂出て乾杯しようぜ」
「ぅん……」

これほどの愛情に包まれ、他に何が欲しいというのだろう。

哲也は全てお見通しだった。

それでも私を必要としてくれている。

私を愛してくれている。

長年の呪縛から解放された気がした。

一番に拘ってきたくだらない私。

一茶に打ち明けよう。

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