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COLOR’S~殺したのは私~

第1章 プロローグ

「戸室4丁目まで。近くてごめんなさい」

一茶を殺害した女は本厚木駅から
タクシーに乗り
実家の住所をドライバーに告げた。

「いいですって。この土砂降りじゃ歩くのも
大変ですから。花火大会の帰りですか?」

タクシードライバーはバックミラー越しに
女の傍らに置かれたクーラーボックスに
視線を移した。

「はい」

同じ箇所で一茶の後頭部を何度も殴りつけた
クーラーボックス。
その一角は凹み血痕が付着していた。

そのクーラーボックスを開けると
2つの空き缶を取り出し
バッグの中へと忍ばせた。

それは突発的な無計画殺害だった。

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