
お医者さんは何でも知ってるっ
第2章 ②
一度、吐き出せるだけの酸素達をゆっくりと、誰にもバレないように吐く。
この時点で肺は空っぽなのだから、胸は上下しない、まだバレてない…
「スー……」
逃がした空気達を捕まえるように、鼻からゆっくり、そして大きく息を吸い込む。
同時に、鼓動は早くなって、胸が少しずつ膨らんでいった。
『ごめんね、もうちょっとだからね。』
バレた。
そりゃあそうだよね。
一気に変化が生じたんだ。
これが原因で、"悪化してますね"なんて言われたらたまったもんじゃない。
ちゃんとしなきゃ。
私はまた浅い呼吸を繰り返した。
