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第1章 私にメッセージ

柊一くんは水沢さんと幼馴染だ。
幼馴染ってよく喧嘩してそうなイメージが私にはあったけれど2人は仲が良い。
穏やかな性格の柊一くんと相手を気遣うことの出来る水沢さん。
そして平和主義者。
なるほど、喧嘩にならない訳である。

「柊一らしい答えね。」

水沢さんは笑う。
私は少しため息を吐いた。

「柊一くん、私のこと本当に変って思ってないかな?優しいから気を遣ったってこと…」

「ああ、それは無いよ。あのバカ正直な柊一はそんなところで気を遣わないわ。」

全く酷い言われ方である。
しかし私には分かっている。
水沢さんはそこも柊一くんという人間の良さと捉えているのだ。

「長所と短所ってね、コインと一緒なのよ。長所は短所になりうるし、また逆もしかり。」

いつか誰かが言ってた。
水沢さんは良く言えば気が利く、悪く言えば気を遣い過ぎ。
柊一くんは良く言えば穏やか、悪く言えば呑気。
私は…
良く言えば控えめ、悪く言えば暗い。

「相沢さんはもう少し自信を持っても良いと思うよ。見た目も可愛いし、性格も良いんだから。」

水沢さんはそう言ってくれてるけど、美人の水沢さんに可愛いと言われても説得力が感じられない。

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