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ジッパー様

第12章 フラッシュバック

 そんなことを言われたら、ちょっぴり頼りたくなってしまう。今は心が弱くなっているから、誰かに話を聞いてもらいたい……。


「お願いします……」

「おっ。じゃあ、居酒屋でいい?」


 私は頷いた。
 今日はお酒を飲んで嫌なことを忘れたいと思った。


 進藤さんと駅前の居酒屋に行くと、個室に案内された。生ビールと料理を頼んで乾杯する。


「おっ、いい飲みっぷり」

「……ぷはあッ」


 お酒なんていつぶりだろう。
 人と一緒に食事したのも、片桐部長としか……。


「で、何があったの? また部長になんか言われた?」


 進藤さんは生ビールを飲みながら、私に問いかける。どうしよう……進藤さんなら答えてくれるだろうか。


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