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ジッパー様

第12章 フラッシュバック

「帰ろう、家まで送る」

「あっ……」


 さっきなんて言ったのか聞き取れず、私は慌てて進藤さんの後を追いかけた。


「あの、進藤さん! 一人で帰れますからっ……」

「足ふらついてんじゃん」

「えっ? ふらついてなんか……」


 あれ? なんか視界が歪む……。


「酔ったんでしょ。タクシーで送るから」

「……っ……」


 私は進藤さんの言葉に甘えることにした。
 タクシーの中は無言で、もしかして私はまた進藤さんを不快な気分にさせてしまったんじゃないかって落ち込んだ。


「あの……送ってくださりありがとうございました」


 だけど、なぜか進藤さんも一緒にタクシーから降りる。




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