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ジッパー様

第12章 フラッシュバック

「それはだめよ。ハルカを抱くのは、ジッパー様だけなんだから」

「!?」


 どうしてここにいるのか、私の部屋にメガネ女が入ってきた。


「なっ……あんた、誰だよっ?」

「なんで……」


 メガネ女はクスッと笑う。


「そろそろいい頃だと思って、ハルカを迎えにきたの」

「えっ……」


 メガネ女はそう言うと、私の手首を縛っていたネクタイをほどいた。


「おいっ、あんた! 何勝手に連れていこうとしてんだよ! ジッパー様ってなんだよ!?」


 進藤さんは苛立ちながら、メガネ女の肩を掴む。


「あら、あなたも来る? 特別に間近で観賞させてあげてもいいわよ」

「はっ?」

「その方がハルカも興奮するだろうから」


 私は頷いた。
 そうだ、ジッパー様なら……私の願いを叶えてくれるはず──。



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