テキストサイズ

ジッパー様

第16章 刺激を求めて

 その後、私は普通に食事をして入浴を済ませて眠りについた。でも夜中に目を覚ましてしまった。外は風が吹いてるのか、窓がガタガタ鳴っている。


「お風呂に入ってこようかな……」


 確かいつでも入れると言っていた。
 けっこう広いし、サウナもあるし、何より旅行気分を味わえるのがいい。


 私は浴衣姿で部屋を出ると、長い廊下を歩いた。照明はついてるけど、人の気配がしないからなんとなく心細い。
 

「やっぱり戻ろうかな……」


 そう思った時、背後からガタンッと音がした。


「……っ!」


 振り返ると、なぜか廊下の真ん中に木の椅子が転がっていた。


「──え?」


 この椅子、さっき歩いてきた時にあっただろうか?



ストーリーメニュー

TOPTOPへ