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ジッパー様

第16章 刺激を求めて

 もう少し近づいて見ようとすると、チカチカと照明が点滅した。


「えっ……?」


 フッと真っ暗になり、闇に包まれる。


「……いやっ……」


 なんだか得体の知れないものが近くにいる気配がして、背中に悪寒が走った。


「ふう、ふう」

「…っ!?」


 突然、何かの息遣いが耳元で響いた。
 ゾクッと全身が総毛立つ。


「ふう、ふう……ふう、ふう……」

「……っ……」


 明らかに背後に、誰か……いる。
 何かが、いる。


 逃げなきゃ……。
 だけど身体は金縛りにあったように動かない。恐怖で声が出ない。


「ふう、ふう」


 生暖かいものが、私の首筋を這ってきた。


「……っ……」


 しかも同時に手のようなものが、私の身体をまさぐり始めた。


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