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ジッパー様

第17章 なり損ないの末路【セイヤside】

「伊崎社長っ……」


 見た目はもう化け物だ。
 どうする?
 今ここで撃っておけば、後々厄介な超能力を使われずに済む──と思った瞬間、伊崎社長がこっちに振り返った。


「!」


 やばい、目が合った。
 しかも身体が動かない……!


「早まるな、セイヤ。私はまだ人間だ」

「……っ!」


 伊崎社長はニヤリと笑うと、再び歩きだした。するとフッと身体が動けるようになり、僕は止めていた息を吐き出した。


「……あかん、全く動けなかった……」


 これが超能力の恐ろしさか。
 殺るなら躊躇してはだめや。


「……くっ……」


 震える手を押さえながら、僕は再び伊崎社長の後を追った。


 プールの建物内に入ると、ハルカちゃんはプールサイドで未だ男に犯されていた。


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