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ジッパー様

第19章 真実

「おまえら、許さねえ」


 一瞬、進藤さんの声が聞こえたかと思うと、四方八方からバキボキッ!と骨の折れる音が響いた。


「うわあああっ!!」

「腕が……腕がぁぁ……!!」

「いてぇぇぇ!!」


 私に触れていた三人が同時に叫んだ。そしてあり得ない方向に曲がった腕や指、足を見て驚愕した。


「な、なんだよ、これっ……」


 動画を撮っていた男のスマホも、今まさに男の目の前で、白い手によって粉々に握り潰された。


「ばっ……化け物!!」


 男たちは慌ててその場から逃げ去った。
 気づけば何本もの白い手が、私の身体を守ってくれていた。


「……進藤さんっ……」


 進藤さんの顔は見えないけれど、すごく怒っている姿が目に浮かんだ。


「……ありがとう、進藤さん……」


 泣きそうになる私の顔を、白い手が優しく包んでくれる。


 

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