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ジッパー様

第20章 過去の記憶

「すごいね、キスで感じちゃうなんてエロいね」


 私はハッとして、ルークの胸を押し退けた。


「や、やめてください! どうしてこんなっ……非常識です!」

「非常識? 何を言ってるんだい? ここはそういう場所だよ。ほら、周りを見てごらん」

「……?」


 私は恐る恐る周りを見渡した。てっきり注目の的になってるかと思いきや、全然違った。あちこちで男女がペアになり、いかがわしい行為をしていた。中には複数の男性に囲まれている女性もいる。


「知らなかったのかな? このパーティーはお互いの素性を明かさずに、身体の相性が合うパートナーを見つけるためのパーティーなんだよ」

「!」

「驚いたよ。まさか君が九条家の娘だったとは。今まで表に出て来なかったのは、こっちのパーティーに出席するためだったとはね」

「そんな……。父はそんなこと一言もっ……」



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