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ジッパー様

第21章 ジッパー様との出逢い

 別室に入ると、すぐにダブルベッドが目に入った。彼は私をそこへ座らせると、なぜかそのままジッと私を見つめた。


 真っ白な髪に、灰色の瞳。だけど日本語がとても上手で、本当に外国からきたんだろうか?


「……あの……」

「呼吸も乱れてるし、顔が赤い。もしかしたら……当たってしまったのかもしれませんね」

「……え?」

「媚薬です。最初の乾杯の時に、ランダムで媚薬入りのシャンパンが配られるんですよ。あなたはきっとそれを飲んでしまったんでしょう」

「!」


 じゃあ、さっきからドキドキしたり、身体が疼くのは……。


「しばらく媚薬の効果が切れるまでここにいたほうがいい」


 そう言うと彼は、私から離れようとした。


「あ、待ってっ……!」


 私は思わず彼のスーツの裾を引っ張った。


「あ……」

「……」

「……どうして私を……助けてくれたのですか?」


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