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ジッパー様

第23章 絶望

 私はマヤに着いて、農作業用の服に着替えた。すると畑では、すでにギルバートさんが土を耕していた。


「オレも、やる」


 ギルバートさんは無愛想のまま一言呟く。


「ギルバートさん……」

「もう、ギルバートさんったら、無愛想過ぎますよ? もう少し愛想よくしないと、シホ様が不安になるでしょ?」

「……無理、だ」

「ふふっ」


 私はマヤとギルバートさんとの会話を聞いて思わず笑った。


「大丈夫よ、マヤ。私はギルバートさんが心の温かい人だって、わかってるわ。だってどの料理も美味しいんだもの」

「シホ様……」


 すると、ギルバートさんが一瞬微笑んだような気がした。


「あっ、笑った!」

「笑ってない」

「笑いましたよ、ね? シホ様」

「ふふっ」



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