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ジッパー様

第25章 連鎖

「セイヤさんこそ、どうしてここに?」


 あれから何度も電話しようと思った。でも迷惑かもしれないと思って忘れようとしていた。


「色々調べてたんや、ジッパー様のこと」

「!」


 そういえば、このジッパー様はセイヤさんを襲わない。こんなに近くにいるのになぜ……。


「それは興味あるわね。どんなことを調べたのかしら? あたしたちにも聞かせてほしいわ」


 その時、いちごとリコさんが再び私の前に現れた。その後ろには伊崎社長もいる。


「伊崎社長っ……」


 伊崎社長の姿を見て、懐かしさを覚える。そして胸が締め付けられた。


「ちょっと、ハルカ! トオル様をそんな切ない表情で見ないでくれる?」

「私は別に……」

「やめてよね、あんたまであたしの物を取る気?」


 いちごは私を睨みつけた。その表情は過去の記憶の、サヤと全く同じだった。



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