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ジッパー様

第25章 連鎖

「ハルカが私に気があるなら、愛人として迎えてやってもいい」

「!?」

「な、何を言うの、トオル様! そんなの嫌よ! 絶対嫌っ!!」


 とんでもないことを伊崎社長が言ったせいで、私はいちごに突き飛ばされた。


「ハルカちゃん!」


 とっさにセイヤさんが受け止めてくれる。


「もういいから、あんたは早くその醜い肉の塊とまぐわりなさいよ!! そして永遠にあたしたちの前から消えて!!」


 その時だった。
 今まで大人しかった肉の塊の白い手が、いちごを攻撃し始めた。


「きゃあああっ!!」

「いちご様!」


 リコさんがいちごの名を呼ぶ。
 でも呼んだだけで、助けはしなかった。


 複数の白い手がいちごに絡みつき、身体を締め付ける。


「あああっ……」


 どういうわけか、いちごの肌はみるみるうちに、しわくちゃになっていった。



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