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ジッパー様

第7章 忍び寄る手

 男を性的に興奮させる……。それを聞いて私はゴクリと息を飲み込んだ。
 もし、私でも片桐部長をその気にさせることができるのなら──。


「片桐部長、もう少しお待ちくださいね。さあ、ハルカさん。ワンピースに着替えたら、お化粧と髪をセットしましょうね」


 ハッと顔をあげると、メガネ女は不適な笑みを浮かべていた。私の心は完全に見透かされているようだ。


「着替えたら、隣の部屋に来て」


 一瞬でも何を考えてしまったんだろうと、自分に呆れた。とりあえず目の前にある服は赤いワンピースのみだから着るしかない。
 私はノースリーブの赤いワンピースに着替えると鏡を見ないで試着室を出た。そして隣の部屋へと入った。


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