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ジッパー様

第9章 調教

「もう部長ったら、どこにいたんですかぁ」

「資料室の鍵がなくて入れなかったんですよ~」


 さっきの声の子たちが、片桐部長にすり寄ってきた。胸の大きい女子が、片桐部長の腕にわざと自分の胸を押し付ける。


「……」


 片桐部長を狙っている女子は多い。
 でも片桐部長は、あの子たちよりも私を選んでくれた。
 

 奥さんには勝てないけど、それでもいい。
 限られた時間の中で、少しでも片桐部長と過ごすことができたら幸せだ。


 だから私は、好きな人のためならどんな要望にも応えたい──。



「さあ、ハルカ。始めようか」

「名前……」

「二人の時はハルカと呼んでいいかい? 僕のことはシンヤと呼んでくれ」

「シンヤ……さん」


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