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ジッパー様

第9章 調教

 進藤さんの意外な言葉に、私は目を丸くする。


「ど……どうしてですか?」

「あいつ、既婚者じゃん。不倫したいの?」

「あっ……」


 私は片桐部長が既婚者だということを一瞬忘れていた。それならそう言われても仕方ない。


「あいつのせいで人生棒に振るなんてもったいない。男なら他にいるでしょ?」

「えっ……」

「例えば、オレとか」
 

 進藤さんがそう言ったあと、私はビクンッと身体を震わせた。


「なんて冗談……ん? どうしたの?」

「……な、なんでもないですっ……」


 私は危うく声が出そうになったのを必死に耐えた。
 なぜなら突然、足元にいる片桐部長が私の膝に舌を這わせてきたからだ。



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