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ジッパー様

第9章 調教

「ねえ」

「は、はいっ……」


 また話しかけられてビクッとする。


「仕事、選んだ方がいいよ」

「えっ……」

「なんで上司の仕事を部下がやらなきゃなんないの。そんなの、断っていいから」

「……ッ」


 どうしよう……。
 私のせいで、片桐部長が誤解されてしまった。


「ち、違います……。私が自分からやりたいって言ったんです……」

「え?」


 進藤さんが怪訝な表情をする。


「あ、そう。ふぅん」

「……」

「もしかして、部長が好きなの?」

「えっ……!」

「わかりやす」


 ハハッと笑ったあと、進藤さんは真面目な顔つきになった。


「あいつはやめといた方がいいよ」



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