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ジッパー様

第10章 疑問

「シンヤさんっ……もうこんなの……抜いてください……おかしくなるっ……」

「だめだ。抜くのは、ハルカがこれを装着しながら、フロア内を歩いてからだよ」

「……えっ……」

「大丈夫、みんな仕事で忙しくしてるから誰も気づかないよ」
 
「でもっ……」

「約一名は気づくかもしれないけどね」


 進藤さんのことだ。
 

「ハルカは誰の物かってことを、彼に気づかせてあげないとね」


 片桐部長はニヤリと笑みを浮かべると、スマホを操作した。


ヴィーーーン

「あぁんッ……!」


 静かなモーター音を響かせ、バイブが更に強弱をつけて振動する。


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