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　できれば今すぐに抜いてしまいたい……。だけど期待している片桐部長をガッカリさせたくない。


『仕事、選んだ方がいいよ』


　ふいに進藤さんが放った言葉を思い出す。


　私……無理してるのかな？
　ううん、これは片桐部長なりの私への愛情表現だ。
　きっとこれを乗り越えたら、ご褒美を貰えるはず。おもちゃじゃなくて、片桐部長と繋がれる。だから私はそのためにも、片桐部長の要望に応えなきゃいけないんだ。


　私は意を決すると、資料室のドアを開けて廊下に出た。なるべく背筋を伸ばして歩く。誰かとすれ違っても、平常心を装う。
　ちょっと歩きにくいけど、大丈夫。このままフロアを回れば……。