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ジッパー様

第10章 疑問

「わっ!」

「きゃっ」


 廊下の角を曲がると、ちょうど走ってきた配達員の男性とぶつかってしまった。そのせいで、私は床に尻餅をついてしまう。


「すみません、大丈夫ですか!? お怪我はされてませんか……って、えっ!」

「え?」


 とっさに手を伸ばしてきた配達員の男性に驚かれる。なんだろうと思ったら、彼は私のスカートの中を凝視していた。
 

「……あっ……」


 私はすぐに察し、慌ててその場から立ち去った。


 ……見られた!?


 一人でパニックになり、ひとまず女子トイレに駆け込んだ。


 あの配達員、よくうちの会社に来る人だ。
 最悪だ……
 もうあの配達員とは顔を合わせられない。


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