Hello
第37章 Be healed * バンビズ
「……」
「おまえに包まれてから、眠りたい。……だめか?」
……ずるい。
ずるいずるい。
そんな目で、そんな口調で、そんな声で訴えられたら。
「俺に……包まれたいの?」
それならば……うん、としか言えないじゃん。
覆い被さる翔くんの首に、ゆっくりと腕をまわす。
翔くんは、頷き、チュッ…と、キスをしてくれた。
優しいキス。
「……俺におまえの勇気と元気。分けてよ」
「……ふふっ……しょうがないなぁ」
そんな風に言われたら……断れないじゃんか。
珍しく甘えてくる翔くん。
やっぱり、緊張してるんだね。
大丈夫。
俺たちが……俺がついてるよ。
「んっ…………ぁ」
「……潤」
「翔く……熱い……」
「俺は……あったけー……」
「うそ……」
「……おまえの熱が……伝わってくる……」
気持ち良さそうに目を閉じる翔くん。
俺と溶け合う熱が、たまらないって。
俺も、貫かれてる刺激で、あんまり余裕がないけど。
「翔くん……」
「ん……?」
「明日……大丈夫そう?」
「おう……頑張れそうだ」
にっと笑って、ぐぐっと、大きく俺を揺さぶった。
「っ…ん」
「潤」
「あっ……なに……っ」
揺さぶりながら話しかけんなよっ
少しの抗議をこめて、翔くんを見たら。
翔くんは、動きをとめて、優しく笑った。
「……来年も。ずっと一緒にいような」
……エッチ中に言うことだろうか。
思わず突っ込みそうになったけど、俺は開いた足を翔くんの腰にまきつけて、俺の中の翔くんを、ぐっと締めなおした。
そうして、下から翔くんの体を抱き締めた。
「……当たり前っしょ……」
ずっとずっと。
一緒だよ。
心配しないで。
明日もずっとあなたを見てる。
fin.