Hello
第38章 櫻井くんと俺ら①
ちょっとした不安や懸念もすぐに顔に出る俺。
……だって!後輩たちと温泉に行きたいとか、言ってたじゃん。
この体をあいつらに、見せる気!?と思うと……
ぶつぶつ腹にためてたことを呟いたら、翔くんは、ははっと笑った。
「……指一本触れさせねーよ……俺はおまえのもんだろ」
なんて。嬉しいことをさらっというものだから、思わず指が変な方にまがり、翔くんの体が跳ねる。
「…ばかっ……急に」
「翔くん……翔くん……好き」
心から溢れた、想い。
翔くんは、一瞬口を閉じ、そして艶やかに微笑んだ。
「……知ってるよ…」
「すげーく……好き」
「うん……」
翔くんは、はあ……と吐息をつきながら、俺の首に両腕をからませ、ふふっと微笑んだ。
「俺……誕生日なんだけど……」
「うん……たくさん俺をあげるね」
「そーじゃねーよ……」
おめでとうって、言ってと笑う翔くん。
「俺を……抱きながら言って」
「……おめでとう……翔くん」
「ん……」
クチュっ……と舌を絡めて囁き、指の動きも再開した。
とたん甘く漏れ出す声を飲み込むように、丁寧に愛撫を繰り返した。
下も上も深く深く繋がったころには、ベッドの中の熱は最高潮で。
「翔くん……俺を……好き……?」
「んっ………あ…」
「好きって言って……」
「はあっ……あ……好き……」
「おめでとう」
「……ぅあっ……」
激しく体を繋げながら交わす本音。
いつも言えないことを惜しげもなく囁いて。
クールですました翔くんの素顔を知るのは俺だけ。
筋肉質で、エロくしなやかに光る体を見れるのも俺だけ。
翔くん。
お誕生日おめでとう。
ずっとそのままでいてね。
想いをのせて、俺は翔くんの唇を柔らかにふさいだ。
翔くんの腕が、俺の背中にまわされて。
返事をするかのように、ぎゅうっと抱きしめられた。
fin.