Hello
第40章 櫻井くんと俺ら②
「……翔ちゃん」
「ん?」
「……会い……会いたかった。ずっと」
「……ふふ。俺もだよ」
「連絡……したかったけど……」
「してよ。俺こそ、智くんの一人の時間も大事にしてあげなくちゃって……遠慮してたんだから」
「え?!そうなの?!」
「そーだよ……」
心底驚いて、思わず体を離して翔ちゃんを見たら、翔ちゃんは面白そうに肩を揺らして笑っていた。
遠慮しあってた…だけなんだ。
「……俺たちは、もっと言いたいこと言ってもいいかもね」
にのたちみたいにさ、と、翔ちゃんがドングリのような目を細めて、にこりとした。
絡めた指に力を入れて腰をうちこむたびに、翔ちゃんは、ん……っと、眉間のしわを深くした。
高く上がった足が俺の腰を捉えてロックしてるから、この行為が嫌なわけではない、と判断。
この人は変に我慢強いから、ギリギリまで声も聞かせてくんないし、乱れてくんないから、よーく観察しとかないと独りよがりになっちゃうんだよね。
会わなかった時間を埋めるように、俺は翔ちゃんの中に、ひたすら自分を刻みこんだ。
「……ぁっ……」
お
「ああっ……やっ……」
ようやく……
「智……くんっ……あっ」
声が出始めたぞ。
俺はそれに気をよくして、声が漏れでたポイントをめがけて何度も穿った。
絡めた指にもっともっと力がこめられる。
たまらなくなって、その厚い唇をふさいだ。
上も下も繋がって。
指も繋がって。
「んっ……ふっ……んん…」
「翔……」
「あっ……智く…んっ」
このまま二人で溶けてしまいたい。
何度も何度も。熱の全てをわけあった。
「大丈夫……?」
「うん……と言いたいけど、ちょい無理」
コトが終わって。
翔ちゃんはぐったりと目を瞑った。
ど……どうしよう。
かすれた声の翔ちゃんに、裸のままあわあわしていたら、翔ちゃんは目を瞑ったまにやりと笑った。
「……明日もここに来ていいならすぐに治るかも」
なぬ?
目をぱちくりして、翔ちゃんを見つめる。
翔ちゃんは、いたずらっぽそうに目をあけていた。
俺は、苦笑いして頷く。
「……いつでも…来ていいに決まってんじゃん」
「…ありがと」
遠慮なんていらないよ。
……だって、俺たちは恋人同士。
fin.